代金の値引きや商品の返品に応じた場合にも、インボイスを発行する必要があります。
商品の返品や代金の値引きの際に発行するインボイスを「返還インボイス(適格返還請求書等)」と呼びます。
例えば。
1. 会社で商品を100万円分仕入れた。そのときに仕入先から100万円分の「インボイス」を受け取った。
2. 1.で受け取った「インボイス」をもとに、仕入先に100万円を振込で支払った。
3. 1.で仕入を行った商品に不良品が含まれていたでの、20万円分の商品を返品した。
4. 仕入先から「返還インボイス」を受け取るとともに、20万円の振込で返金を受けた。
例えば。。
1. 工事の一部を下請業者に100万円で発注し、工事の完成とともに下請業者から100万円の「インボイス」を受け取った。
2. 下請業者に発注した工事の一部に、瑕疵が見つかり工事代金の一部(20万円)の値引きを受けることになった。
3. 2.の値引きに基づいて、下請業者から「返還インボイス」を受け取った。
4. 1.で受け取ったインボイスと3.で受け取った「返還インボイス」の差額80万円を下請業者に振込で支払った。
返品や値引きを受ける前の「インボイス」と返品や値引きの事実を証明する「返還インボイス」の両方を保存することで、上記1.から4.の取引の流れを明確化し、正しい消費税の計算を行えるようにする必要があります。
インボイス制度は、今までの帳簿に記載した仕訳による消費税の計算から、インボイスという明確な証拠により消費税を計算しようとする制度です。
言ってしまえば、税務署は、納税者がしっかり帳簿に記載した内容よりも、「インボイス」を信じます。ということです。
「インボイス」だけでなく、「返還インボイス」の発行もしっかり管理できないと、お客様に大変な迷惑をかけてしまいます。そして、皆さんの会社やお店の信用を失うことになる大変な制度です。
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