先日の記事では、消費税を計算する際にとても重要な要素である「消費税上の経費みたいなもの(仕入控除)」を認める/認めないの判定が厳しくなってしまった。とまとめました。
では、実際にどのように厳しくなったのでしょうか?
所得税、法人税、消費税の税額を計算する基礎となるのが、「帳簿書類の備え付け」と「記帳」です。
この2つがしっかりしていれば、税金の計算は間違えていない、という大前提に立って、税金の世界は回っています。
この前提は、電池にプラスとマイナスがあり、一日は、昼と夜があると同じくらい大切な変えようのない大前提です。
この前提とも言える「帳簿書類の備え付け」と「記帳」がインボイス制度の成立とともに、とても厳しくなったのです。
どう厳しくなったの?の前に、そもそも「帳簿書類の備え付け」とは・・・何なのでしょう?
実際には法律用語なので、具体的な定義がないくせに、いざとなると納税者に牙をむく厳しい範囲を含む言葉です。
言葉を分解して説明します。
このLINEとメルマガでは、だいぶ言葉を丸めています。判例では、法律的には、違うのでは??みたいなことを言うのはやめてください。限界はありますが、法律や判例を翻訳して要約して、少しでもわかりやすい文章をかくようにしています。
「帳簿」とは、たとえば、総勘定元帳、仕入帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などです。これらの書類は、税務申告や税務調査に合わせて、事業所ごとに業態に合わせた形で皆さん事業者さんで作成します。必要に応じて税理士事務所で追加資料を作成し、書類の信憑性を高めるため裏付けを行います。
「書類」とは、「帳簿」を作成するもととなった棚卸表、注文書、請書、請求書、領収書、レシート、契約書などのことをいいます。皆さんやその取引先が作成し、発行してくれるものです。
この書類は、税理士事務所で作成することはできません。税理士が作成したら、ただの私文書偽造で犯罪です。
「備え付け」とは、「帳簿」と「書類」の両方を確定申告の提出期限の翌日から10年間(インボイス以降)、大切に保管しておくということです。
次回以降に「記帳」について説明します。そのうえで「帳簿書類の備え付け」と「記帳」どのように厳しくなったのかを説明します。